普通神経症の部屋

Kさんは仕事やママ友関係で問題解決しても出てくる漠然とした不安をどうしたらよいかと試行錯誤される中で、森田療法の不安をそのままにしておくという考え方に興味を持たれて、こちらのホームページにたどり着かれたとのことです。

不安を無理に消そうとしてもなくならないこと、場合によってはむしろ不安が大きくなることを体験として学ばれたわけですね。

今も漠然とした不安が出て、落ち込むことがあるとのことですが、大変な状況を離れた後に、また起きたら嫌だななど、その時のことを振り返って時折考えてしまうことはよくあることで、極めて自然なことです。

それがどうしても受け入れがたいとすると、漠然とした不安が出てくるとなぜそんなに落ち着かなくなるのか、何が引っかかるのかをもう少し細かく見てみてください。

例えば、それは、
(1)ストレス源から離れたのに、まだ漠然とした不安が出てくることが気になるといった、完全主義的な期待からくる不安なのか、それとも、
(2)また同じような問題が起きたら困るといった予期不安から来る不安なのか、などです。

(1)の場合には、不安をゼロにしようとするのと同じ姿勢がうかがえます。
(2)の場合には、実際の状況としてはどうなのか、今現在の事実を一つ一つ見ていきましょう。
実際に火種になっていることがあるのか、自分の理解者はいるのか。「もし」ではなく「実際」にどうかが大切です。不安の背後には自分の希望や欲求が隠れているはずです。その不安の背後にどんな気持ちがあるのかよく見つめてみてください。
(矢野勝治)