最近、クリニックなどの外来で森田療法を取り入れている施設が増えてきています。外来森田療法がどういった流れで進められるか基本的な流れを見ていきたいと思います。外来療法では、面接と日記を中心に進められます。外来では、面接は1~2週間毎に行われ、生活上の体験や、問題点を共有することが大事になります。日記で、日々の細やかな状況を伝え、面接では自由に話し、次の目標を定めていきます 。

外来治療の基本的な流れ
(1)初診<30~60分>(とらわれの正体を見つける)
 医師が悩みを聞き取り、不安にばかり目が向いて、排除しようとしてきた「とらわれ」と「はからい」の悪循環を明確にします。「治ったらどうなりたいか」といった生の欲望を確認します。今後の流れや日記のつけ方の説明を受けます。
(2)初期治療(1~2週間に1回)(とらわれへの対応を学ぶ)
 前回の面接からの生活について話し、不安に対してどう対処したか、どんな改善をしたかを報告します。これに対して、医師はアドバイスをおこないます。
(3)治療中期(1~2週間に1回)(建設的な行動へ)
 具体的な日常生活に目を向け、何がしたいのかを明らかにして、「生の欲望」に沿って実際に行動に移していくことを目指します。症状だけでなく、目的を達成できたかどうかを評価の基準にします。
(4)治療後期(1~2週間に1回)(自ら柔軟に対応していく)
 徐々に行動が広がるにつれて、再び「とらわれ」に陥るパターンが見えてきます。つい「かくあるべき」と考えてしまう習性に気づき是正し、新しい人生を生きなおすことを目指します。
(5)終結
 一区切りとして、普通の生活に戻り、揺り戻しが起こった際の再診のタイミングやアフターフォローなどを紹介します。

【参考文献】中村敬:よくわかる森田療法 心の自然治癒力を高める、主婦の友、2018